
Oct 1, 2026
お食事処「夕鶴」 佐渡は産地なんです。
「お食事処『夕鶴』の店長、甲斐です。 店名の『夕鶴』は、世界的なオペラ『夕鶴』から、いただきました。原作は、劇作家の木下順二先生です。 実はこの物語のもとになった『鶴女房』という民話は、ほかでもない、佐渡に伝わるお話なんです。 木下先生は、生涯をかけて、日本の民話の中に眠る『魂のふるさと』を、追い求め続けた方でした。 AIがどんどん進化していく今だからこそ、『人間らしさとは何か』を、改めて問われる時代だと、私は思うんです。 だからこそ私たちも、この店の名前に、『魂のふるさと』という想いを、静かに込めました。 さっきの鶴の羽根、足したものは、何もありませんでした。もともと持っていたものを、そのまま、形にしただけ。それなのに、誰も見たことがないほど、美しかった。 これは、佐渡という土地にも、同じことが言えると、私は信じています。 佐渡って、金山とか、たらい舟とか、観光地のイメージが強いと思うんですけど、 実は、お米も、お肉も、お魚も、もともとの土地の力だけで、十分すぎるほど、おいしいんです。 足す必要が、ないんです。 だから私は、はっきりと、こう言いたいんです。 佐渡は、観光地じゃありません。産地なん です。 知らずに帰ってしまうのは、本当に、もったいない。 今日は、心を込めて、本当のことだけ、お話しさせてください。」
★佐渡産こしひかり 「まず、佐渡産こしひかりです。朱鷺が舞い降りる田んぼで育った、このお米。一口運んでいただくだけで、わかると思います。変に手をかけなくても、これだけで、もう十分なんです。」
★佐渡牛 「次は、佐渡牛です。口に入れた瞬間、脂の甘みが、すっと広がります。この甘みを、余計な味付けで隠したくない。だから、調理は、引き算なんです。」
★ 佐渡サーモン 「最後に、佐渡サーモンです。この脂の乗りは、見ての通り。むしろ、手を加えない方が、この輝きが、ちゃんと伝わるんです。足すものは、ほとんどありません。」
「鶴の羽根がそうだったように、一番美しいものは、もうすでに、そこにあります。 私たちの仕事は、それを引き算で、そのままお届けすることです。」 「佐渡は、観光地じゃない。産地だと、申し上げました。 『でも、食事のためだけに佐渡まで来るのは、大げさじゃないか』 そう思われるかもしれません。 でも、こしひかりも、佐渡牛も、佐渡サーモンも、 足していないからこそ、その土地、その一皿でしか出せない味があるんです。 夕鶴でしか味わえない感動を、どうか、探しに来てください。」
※本内容は、佐渡に伝わる「鶴女房」(柳田国男『佐渡島昔話集』所収)の民話的モチーフを基にしたオリジナル創作であり、木下順二『夕鶴』の戯曲そのものの台詞・場面構成は使用していません。
